有色紀州犬の現状
もともと、紀州犬は他の日本犬と比べれば、白色の犬の率が多かったが、全体としては、有色の犬の方が多数いました。
一つの例として、昭和26年に日本犬保存会和歌山支部展では、出陳犬80頭の内、白色の犬は、30%に過ぎませんでした。
しかし、この頃から、急速に白色の犬化が始まり、
その後10年程で、ほぼ現在の様な白色の犬ばかりに成ってしまいました。
昭和30年を境に前後10年で白色の犬化が進んだのには三つの原因があるといわれています。
第一の原因 種犬の影響
戦後、最高の種雄であり功労犬でもある那智の市号を筆頭に三山号・照女号などの基礎犬が全て白色の犬だったことです。
しかし、面白いことにこれらの父犬は全て有色犬でした。
つまり、白色の犬増加のスタートが偶然の産物だっとと言うことです。
第二の原因 需要と供給
白色の犬が全国の愛好家から喜ばれ、喜ばれるから作出に力を入れる、当然良い白色の犬が増えると言う需要と供給の原理が働いたと言うことです。
※個人的な意見ですが、日本人は白色崇拝思考が強い民族だと思います。
たとえば、白蛇は神の化身とかお殿様の馬は白馬、花嫁衣裳の白無垢、TVでは白馬童子(古すぎ!)などです。
第三の原因 遺伝の問題
遺伝学からみて、白色は他の毛色に対して劣勢遺伝形質だということです。
有色の犬は白色の犬の遺伝子を持っていますが、白色の犬は白色以外の遺伝子を持っていないということです。
有色の犬同士の交配では、有色・白色の両方の犬が生まれますが、白色の犬同士では、白色以外は生まれないと言うことです。
したがって、一旦白色の犬化が進むとこの勢いは留まる事を知らないのです。
有色紀州犬の今後
このような現状の中でも、地道に有色の紀州犬の作出をされている方はいらっしゃります。
しかし、展覧会での、有色紀州犬は、結果がでるまで、3〜4年掛かる為、中々見られないのが現状です。結果を気にせず出陳しているのは、ほんのわずかです。
ですが、有色紀州犬の減少に危機感を持った方も増えて来て、少しづつですが、有色紀州犬の作出が増えて来ています。
天然記念物紀州犬の中でも大変数の少ない有色紀州犬の紹介
有色紀州犬では難しいといわれる展覧会への挑戦

